ドラゴン&グースの大冒険 「 グースが運んで来たもの」
花形新次

グースは雪の降るなか
ドラゴンの家を目指して
飛んでいました
友だちのいないドラゴンと一緒に
クリスマスを祝うためでした

一方、ドラゴンは
オーブンに火を入れて
グースが来るのを今か今かと待っていました
グースの丸焼きで
ひとりぼっちのクリスマスを
豪華なものにしようと考えていたからです

そうとは知らず
グースはドラゴンの喜ぶ顔を
想像しては自然と笑顔になるのでした

しかし、実は、グースは昨日から熱っぽく
次第に身体の節々が痛くなって来て
今はふらふらで
何とか飛んでいるような状態でした
それでもグースは
「もうすぐドラゴンに会えるんだ!」
との思いだけで歯を食いしばって飛び続け
何とかドラゴンの住む洞窟にたどり着きました
最後の力を振り絞って
「ドラゴン!僕だ!グースだ!」と叫びましたが
それを最後に力尽き死んでしまいました

ドラゴンが出てきたときは
グースの亡骸は熟成が進み
食べ頃になっていました
「何故食欲だけが繰り返すのか?ということもあると思う コンビニ弁当やほか弁で済ますことができない時、自炊で済ますことができるのかどうか?そこに問題点がある」
ドラゴンはそうイミフなことを呟くと
グースの亡骸をその場で丸飲みしました
結局オーブンは使いませんでした



5日後、新型鳥インフルエンザで
絶命したドラゴンに
ありとあらゆる動物、昆虫が
群がっていました

めでたし、めでたし



自由詩 ドラゴン&グースの大冒険 「 グースが運んで来たもの」 Copyright 花形新次 2016-12-18 07:39:09
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