ダイヤモンド寒天
ブルース瀬戸内

囁いています寒天は
上に乗って弾まれて
姿形はトランポリン
そんな過酷な状況で
囁いています寒天は
私の体がいつまでも
弾むなんて思ったら
見通し少々甘いです。

だって私のこの身体
時々硬くなるんです。
緊張したら硬いです。
コッチコチなんです。
寒天じゃないほどに
ダイヤモンドほどに
コッチコチなんです。

だけど嬉しいんです。
お前はどうなっても
やっぱり寒天だよな
そうやって言う人に
私は支えられてます。

寒天ですよ、私こそ
自信持って言えます。
唯一無二の寒天です。

真似することなんて
できっこないんです。

私の思い出私の経験
私の喜び私の悲しみ
それらが私を象って
ここに確かに立って
ここに生きています。

こう力説してるのに
あなたはお構いなく
私を平らげるんです。
それが寒天の醍醐味
それが寒天の生き様
それが寒天の証明に
なると私は信じてて
フルフルフルフルと
プルプルプルプルと
しているわけですが
緊張もしてきました。

一応前歯のスペアを
用意してくださいね。


自由詩 ダイヤモンド寒天 Copyright ブルース瀬戸内 2016-12-13 20:15:56
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