十二月の夜の歌
TAT
君は喜びを喜べ
僕は悲しみを悲しむ
トランプのタワーの王様がイカサマゲームを制して世界の王様に成って
テレビはひっきりなしに安値で飛べる酒のCMを流してる
大きなカジノを作るための法律がもうすぐ発布される
この世のあらゆる物に税がかけられ
僕らは歌を歌う事もままならない
喉笛の長さと肉の震える時間によって
歌にも叫びにも税がかけられ
容赦無く測られ
徴収され
督促され
差し押さえられ
処刑されて
競売にかけられる
真冬のコンクリートに倒れて
アスファルトに頬でキスをして
忘年会の夜は銀河鉄道の終着駅で死ぬ
セックスで例えるまでもなく
毒と蜜は同じ場所にある
ダイヤモンドと芥は同じ窟の狢で
王様を指差して笑えるのはクラウンだけだ
それは てっぽう鍋もカカオ豆も同じ事
生肉を喰らえばワイルドな血が目覚める
ねぎまの殿様
灰かぶり姫
京都駅まで徒歩1分の家に棲んでいる人種
名古屋駅まで徒歩2分の人
それは乞食か
あるいは子爵か貴族だろう
中庸の話
中道の話
プラスとマイナスは直線じゃなくて
最果ての端と端を
つまみ上げて
結わえてあるんだよ
メビウスの輪の話
スパイラルに僕らを巻き込みながら
どこまでも上へ上へと
無限に広がってゆく時代のうねりの話
愛を例にとるまでもなく
憎しみと慈しみは同じ鞘の中の剣で
ええと
あとなんだ
そうだそうだ
皆々様
本年もありがとうございました
来年もよろしくお願いします
^_^
今日このあと恐ろしい雨が降る
そしてひとごろしの嵐が来る
がどうか慌てずに
窓を全て閉めておいて下さい
その後キレイな青い馬を従えて
王様の軍隊が通るが
天気は概ね晴れでしたと
今日はずっと気持ちの良い晴れでしたと
そう言って下さい
ただ言葉のままに
君は笑いながら進め
僕は大きく笑いながら後に続く
決して悟られないように
出来るだけ馬鹿の様に大きな声で笑え