狂ったサンタクロース
しょだまさし

サンタクロースが
ついに狂った


12月も半ばで
低い雲の広がりは
初雪の予感さえ
醸し出している

もう季節の変わり目とは
言えない夕時に寄った
改札前のコンビニの
レジの募金箱が紙幣で満杯

支払いを済ませて
駅の出入り口を
ロータリーとは反対の
デパート側に出る

ビルの外付け非常階段の
真下あたりに人が
集まっていて

その上方を見上げて
原因がわかった
先ほどの募金箱のだ

そこにはお金を
撒いている人がいて
警察が数人かけ上がって
いるところだった

しばらく見物していると
自分のところにも落ちてくる

それを掴んで
折りたたみながら
僕はコンビニに
引き返した


自由詩 狂ったサンタクロース Copyright しょだまさし 2016-12-12 21:10:01
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