黒点
ただのみきや

あなたを見るために
光を媒体にした
あなたを聴くために
空気を媒体にした


媒体なしにあなたを知りたくて
肌と肌を重ねてみた
そうして慰めを得ながら
無限の孤独を思い知る


星と星が永久に分かたれたように
精神と精神は肉体によって分かたれる
わたしたちが寄り添うことは
冷たい現実へのレジスタンス 愛と呼ばれがちの


あなたがあなたであるかぎり
一片の曇りもなく愛する
なんて ありえるだろうか
わたしがわたしであるかぎり
一点の冷たさがつきまとう
これ以上は近づくことも離れることも出来ず
あなた悩ましく 青く潤んで


心を通わせるために
ことばを媒体にした
事実と感情は捻じれて入り混じり
理解と想像は混濁した
アダムとエバがいた カインとアベルも
バベルは崩壊を続けた


わたしはことばを選ぶ
あなたより
揺るぎない真実と無限の錯誤を
花のように開き鉱石のように閉ざされた
孤独にふさわしい媒体
始めからあったものを




              《黒点:2016年12月10日》









自由詩 黒点 Copyright ただのみきや 2016-12-10 17:22:44縦
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