もっと上手に泳げる
ベンジャミン

冬枯れの芝生を背負って空に飛び込めば
雲よりもはるか高くに居られる

重力に吸い寄せられた現実
あるがままの世界は逆さまだ
夕方の日は昇り
夜は足元に降りてゆく
暗闇に沈む星に手をのばし
流れる方へ向かって行けば
涙は溢れてもこぼれない
わずかな光を反射しながら
溺れそうな希望を波間に浮かべる
呼吸を忘れないように
胸をしめつける冷たい空気を吐き出して
開放された手足がとらえた大気をかきながら

仰向けになって空を見下ろせばいい









自由詩 もっと上手に泳げる Copyright ベンジャミン 2005-03-03 23:33:02
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