ナミダノイロ
坂本瞳子

涙が流れない

枯れてしまったのか
風が吹いても
零れ落ちない
滴ることのない雫

渇いた気持ち
渇いた心
色を付けたいほどの焦り

焦ってなどいない振りをする
そんな悦び

目蓋など閉じてしまえばいい
そして縫い付けてしまえばいい

そう
それでいい


きっと
別のなにかが見えるようになるから


自由詩 ナミダノイロ Copyright 坂本瞳子 2016-11-25 23:04:06
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