耳輪
草野春心



  歌をたたむ。耳輪じりんがひとつ、
  骨いろの水面をもがいて、
  ひしゃげた三日月になりそうな夜
  まだ多すぎた言葉を忙しく折りたたむ
  明日の晩 静けさのおもてに幾つか、
  私たちの掻き傷がみえるはずだ




自由詩 耳輪 Copyright 草野春心 2016-11-22 23:17:27
notebook Home