忘恩の猫
水城歩
忘恩の猫に引っ掻かれるたびにかわいいなどと言えなくなってく
きれいな手、と君が褒めてくれた手が猫に掻かれて価値を下げてく
この猫はテーブルの下にいるときに触ろうとすると100パー引っ掻く
やられるな、と思ったときにはもうね、やられているよ、その猫やるよ
丸まって寝ているときが唯一のチャンスだ今だ猫撫で捏ねる
忘恩の猫撫でられて欠伸するこの瞬間だけおまえはかわいい
短歌
忘恩の猫
Copyright
水城歩
2016-11-19 06:10:54