チャルメラ
もっぷ

チャルメラが聴こえたので
最後の千円札を掴んで飛び出した
台の上にロー引きの小袋がたくさん並んでいる
一つ、と云うと
千円。
と小母さんは応じる
く、っと差し出したら
三つくれた
泣きながら帰って
袋のなかの金平糖をそっと覗いて
いつもの羊でなく
小袋を三つとも抱えて眠った
起きたら 羊の目は真っ赤
袋はどこにもなかった
その三日後のことだけど
内緒なんだけど
小母さんから葉書が届いた
櫂が買えました、ありがとう。
夜を待って飛び出してみあげると
一筋のまばゆい軌跡があった
わたしは手を振った
わかっていたけど それでも
いつまでも手を振り続けた



自由詩 チャルメラ Copyright もっぷ 2016-11-18 05:03:33
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