HAL

誰もが歌っている
それぞれが愛する歌を

昨日を唄う歌
今日を唄う歌
明日を唄う歌

上手いも下手もある
でも誰もが唄うことをやめられない
なぜだろう どうしてだろう

そうではないかもしれないけれど
ぼくにもきみにもそれぞれの歌でしか埋められない
孤独というには格好よすぎるけれど
心のなかにどうしようもない隙間があるのかもしれない

だから唄う
ひとは唄う
それぞれの歌を
そのひとにしか唄えない歌を

自分の心の隙間を埋めるために
そして時には
大切な誰かの心の隙間を埋めるために

そっと耳を澄ましてみないか
もしかしたらそれは
きみにしか聴こえない歌かもしれない


自由詩Copyright HAL 2016-11-17 11:08:20
notebook Home 戻る