歌
HAL
誰もが歌っている
それぞれが愛する歌を
昨日を唄う歌
今日を唄う歌
明日を唄う歌
上手いも下手もある
でも誰もが唄うことをやめられない
なぜだろう どうしてだろう
そうではないかもしれないけれど
ぼくにもきみにもそれぞれの歌でしか埋められない
孤独というには格好よすぎるけれど
心のなかにどうしようもない隙間があるのかもしれない
だから唄う
ひとは唄う
それぞれの歌を
そのひとにしか唄えない歌を
自分の心の隙間を埋めるために
そして時には
大切な誰かの心の隙間を埋めるために
そっと耳を澄ましてみないか
もしかしたらそれは
きみにしか聴こえない歌かもしれない