祈り
りゅうのあくび
もう部屋じゅうに
季節が終わる報せが届きます
ネットポートは再び夕空でジャックされ
きっとポケット深く携帯電話にも
微かに振動は繰り返され
むかし聴いたあの唄が
そっと鳴るでしょう
波音はまだ乾いていました
地球を鳴らすあの音楽が
遠い星の宿命が終える曲想となったとしても
とある病院の郵便係ですら
精神科の研修医ですら
地球の丸さを確認するみたいにして
きっと幻が終わる大地では
再びあの信号が踊りだすでしょう
太陽暦で伝えられた十字路で
あの出来事が始まるときですら
光を求める幼い命みたいに
あの時刻には
木漏れ日ですら
記憶していた暗号が
飾らない摩擦音として
すでに夜空に浮かんで沈黙しています
彼女は或る告白をするために
少しだけの安堵を
きっと胸に秘めながら
徐々に忙しく
部屋にあった本棚に
便箋を置いた
あの日が眩しい
ただ静寂の場所として
たとえ古びた伝説にだったとしても
随分と重さのある小宇宙のなかで
すでに意識としてのみ刻まれている
きっと必ず私が届けるはずの
手紙に記す言葉となってください
そっと森の苔がむす岩のあいだで生きていて
見つけられるはずの返事とともに
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Breath of Fire Dragon