星とうたう
そらの珊瑚

息をしている
すべてのものたちが
息という名の
うたをうたう
うたという名の
命を

深く
息を吸いこみ
ふくらんだ分だけの
息を吐く
そのあと
わたしのうたは
誰かの肺の中で
ふたたび
命をつなげていく
息を継ぐ
未完成という名の
完結
わたしのうたは
人知れず
今、逝った
星のうた

白い光には
永遠に触れることは叶わない
けれど
指先を伸ばせば
突然に近く感じる
あまりにも混じりけのない
冷たさと
同質なのは
巡るのを止めた回旋塔
錆びてゆく身体
視覚が失われ
聴覚が去り
最後に残されたのが
触覚に
似たもの

たとえば
ここは朝を約束しない
最果てプラネタリウム
夜の背もたれに
心ごとよりかかれば
月の裏側にだって行ける
うんざりするほど行けるのだから
いつか
帰っておいで


自由詩 星とうたう Copyright そらの珊瑚 2016-11-16 08:22:55
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