秋の羽
田中修子
イチョウの葉がこがらしに
金色にかがやいてまいおどる秋の羽だ
地に落ちて
みちゆくひとにふみしめられ
甘いかおりとサリサリの音
音はもしかしたら
いなくなることに
泣きたてているこえなのかもしれないが
みずからをうしなわれたかなしさに
飲み込まれてゆくこともなく
土にしずかにかえってゆくさま
わたしもいずれはあのように
こがらしに
金色にかがやき
まいおどって
みずからをうしなわれて天をめざすだろうか
まだきみどりの残る
イチョウの葉なのだ
自由詩
秋の羽
Copyright
田中修子
2016-11-13 02:14:32
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