「命 /12周目」
桂
「命/12周目」
柵のついた子供用ベッド
その中で天井に吊るされた
くるくる回るおもちゃに手を伸ばす君の横で
ある日を境に上に伸びることやめて
横に横に枝を広げはじめたあの木のことを思い出す
今なら彼の気持ちを理解できる
きっとあの日の彼も
彼の傘の下
見守るべきもの見つけたのだろう
星を掴みたいなんて馬鹿な夢はもう
僕らは見れないね
代わりに今 僕らは足元で芽生えた命が
いつの日か僕らの背丈を超える日を夢見てる
2.3枚めくられ散っていくカレンダー
僕にとってそれだけの時間が
君にとっての一生
これから待ち受ける困難も喜びも
生まれて12周目の君は知る由もない
でもこれだけは忘れないで
君が見上げれば僕はいつもそこにいて
君はいつだって僕の傘の下