終焉
鷲田
地球は自転をして呼吸をしている
アンドロメダの惑星の輝きは
生きている証を夜の暗闇の中で示している
青い大空の中では
全てが澄み渡り
生命は存在を忘れて
失語症の詩人のように姿を消す
平和を語る時の風景画
ラディアータの赤い葉は
光の明るさに呼応し
孤独に一人の恋人を想っている
まるであの太陽のように
アポカリプティックの溜息
世界が終焉の音を聞く時
止まる
終える
声は無い
一つの散文による物語の続きを語るために
人は歩き続ける
流転とは生きる車輪である
私達は止まれない
肉体と精神には動きがあり
言葉にする必要が無い理由がある
50億の瞳が世界の出来事を見つめるのは
生命としての覆せない宿命の影
ガラス越しから見える雑踏は
10億光年離れた惑星と同じ輝きをしている