ちりばめて
唐草フウ


生まれ出る暗闇を
スリッパで歩く
冬の
イルミネーションはもう、海に沈んでしまっていた

ほしの形をあしらった
知恵の輪を
あつめては ほどく 少年の眼
それを見つめているたくさんの女たち

眠る暇がないほど
押し迫っているのは
舟の時間か
それともともに千切れ倒れるまでのリミットか

例のストールを巻いたまま
外へ出て 帰りを待っている
どこに帰るかもわからない
あなたの棲む家
わたしのことも
きっとわからないだろう


薄暗い朝
デッキからわたしは
海へスリッパをけり飛ばした
ありったけの






自由詩 ちりばめて Copyright 唐草フウ 2016-11-09 03:45:18
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