空は二十キロの渋滞
這 いずる
物憂げな予感に満ちて
黄昏時に立ち止まってじっと
夕日を見ている人がいた
空が暗色に沈んでいく
目に丸い陽の跡が残って
月の横に暗色の太陽が浮かんだ
空に色を付けるのなら
赤しかないという
進退をどこにもやらずに
ここに立ち止まらせる色
夕暮れ時は目を光らせる
じいと立ち竦んで 飛び退くべきか見ていた猫
車のヘッドライトに照らされていた
影が目に残り
空に猫型の月を浮かばせた
本物の星月が窮屈そうに
小さくなっている夜を過ぎこし
発泡酒を片手に日々を反芻して
目に残る影が 宙で大渋滞を起こしている