あいつはあれから
番田 


酒を飲んだ翌日
私は あまり 具合が良くなかった
それから 目黒川に向かった 
秋の入口のような木々の色を通り過ぎた 


会社で問題を起こしたあいつは今はどうしているのか
思い出す 昔通った通りの光景を
新しいバックを 私は カゴに乗せて
誰に会うわけでもなく冬が始まる


今もうまくやっているといいけれど
深夜だった 彼と二人で帰った道
彼は気性の荒いアメリカ人の血の入った男だった
やがて 結婚して 彼は独立した 


彼の好きだった音楽を思い浮かべながら
私は あれから何も変わっていないと 歩きだす
人も音楽も移り変わっていくけれど 川のほとりの道を歩く
私は 少し英語を覚えただけだった



自由詩 あいつはあれから Copyright 番田  2016-11-06 20:49:13
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