からみかる(十首連作)
はて
理由なら)やわらかにますはにかみにはにかみかえすしかできません
絡まれて絡まるコード差し込んで音楽がなりまた絡まれて
ねえ聞いて、お隣さんが言ってたの、柔らかく刺す春は過去だって
三つ葉からつゆを落とさす風さやかささやかにじゅうりんす草はら
今夜から窓は閉めて眠ります常緑樹が風に歌うから
ファブリーズでも意味なくて消えないよ 通りすがる冬の香水
一日がおわらないけど今日もまた洗濯をするために着替える
ドーナツを細切れにして食べやすく 空を飛ぶため勉強をする
錆びついたジュウ月点けて宵闇を駆け抜けていけ 灯りの方便
へび くゆる線香の舌別れゆく三叉路に立ち振る手とたばこ