詩人の彼は
もり


詩の尾っぽを見つけて
しまったら
原稿用紙の海へ
すぐさま舟を出したくなる
昼だろうが 夜だろうが
凪だろうが 嵐だろうが
あくまでも
must、って感じで

置かれた受話器から
恋人の声
まもなく
はげしい雷雨となるでしょう
馬鹿だなあ
必死に櫂を漕いでいる

できる仕事は限られる
交差点の真ん中でひとり
交通整理など以ての外
ひとたび 詩の尾っぽを
見つけてしまったら
彼はアスファルトにさえ
書くだろう


自由詩 詩人の彼は Copyright もり 2016-11-03 19:16:42
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