アルタイル
やまうちあつし

どうか嫌いになれますように
西日が部屋を染めていようと
   
どうか嫌いになれますように
葡萄が甘くて酸っぱかろうと
   
どうか嫌いになれますように
楽器が静かに鳴りはじめても
   
どうか嫌いになれますように
異国の手紙が届いていようと

どうか嫌いになれますように
夜中に目覚めて猫になっても

どうか嫌いになれますように
海辺の街が微笑んでいようと

どうか嫌いになれますように
月のひかりが照らしていても

どうか嫌いになれますように
知らない星が瞬いていようと
   
どうか嫌いになれますように
そうしてとおくですこしだけ
しあわせをねがえますように



自由詩 アルタイル Copyright やまうちあつし 2016-11-02 15:54:09
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