変調少女
小林螢太

雨はやわらかく弾けて
あおいビー玉となり
ひとみに触れてとけてゆく

風は産毛をなでながら
うすい絹となり
はだに濡れてしみこむ


きみの発するパルスは
聞いたこともないのに
ここちよい、カオス
しんかいのマリンスノー

その波をくみ取ろうとすれば
指のあいだをすり抜けてしまう
だから
そっと空をみつめる


どこへいきたいの?
問いかけながら
きみとどうちょうする

ピンクにあおをおりまぜた
まばゆい巻貝の
ビブラートした海音が
きこえる




自由詩 変調少女 Copyright 小林螢太 2016-11-01 22:38:42
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