淋しさ
不思議な色の妖精

猫背なのは寒いからじゃなくて
お味噌汁は今日も温かい

適当に相槌をうっていたら
本当のことが分からなくなった

「さみしい」の一言
誰にも言えなくて
グッと飲み込む

君が居た部屋
温もりはもうなくて
冷え切っている

みどり色のライオン
1000円の化粧水

咥えたままの歯ブラシ
私には大き過ぎるよ

「赤色の目をしている」
君は気付かなかったね

手持ち無沙汰になって
両手で胸を寄せてみた

みんなは見向きもしないのに
画面の中の君は温かい

貸してくれた小説
1ページも捲れずにいて

涙は拭わない
またすぐに溢れるから


自由詩 淋しさ Copyright 不思議な色の妖精 2016-11-01 19:30:57
notebook Home