41度
不思議な色の妖精
君が好きと言った歌はきっと私も好きで
塗装の剥がれた指輪をどうしようもなく外したくなった
不倫した歌手が歌う歌を良いと思って、いよいよ自分の善悪が分からなくなっていた
正しいと思う生き方をしてきた自分と、正反対の生き方をしてきた2人がひとつになって帳尻を合わせている
明日は何曜日だっけなんて考えないようにしながら渇いた唇を触る
どうしようもなく人との繋がりがほしいのに、人との繋がりはどうしようもなく煩わしい
充分とは言えない量の41度に浸かりながら膝を抱え込んでうなだれた
長湯すんなよってあのとき言われたっけ
濡れた髪は乾かさなきゃ
段々と冷えてきた腰が自分は女なのだと主張している
淋しさなんて君でしか埋められなくて
愛を知ったら淋しくなった