白い羽
坂本瞳子

白い羽が一枚
舞い降りてきた

冷たい乾いた空気の中
灰色の空を背景に
ゆらりゆらりと
右へ左へ傾きながら
緩い速度で堕ちて来た

誰にも触れられないように
汚されることのないように
真白な羽が降りて来た

目で追うのは辞めたほうがいい
きっと刺されてしまうから

手で捕まえようとしないほうがいい
きっと傷つけられてしまうから

白い羽が近づいてきても
気づかないふりをしたほうがいい
乾いた羽は鮮血を求めて
宙を彷徨い続ける
ふんわりゆらりと無垢なふりして
あなたのことを狙ってる


自由詩 白い羽 Copyright 坂本瞳子 2016-10-31 15:12:08
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