青い顔
レタス

あの日の花筏を眺めて
幾歳を過ごしたか
その記憶はもう無い
満月を胸に抱き
脇腹に短刀を隠し

川面を眺めた夜

街は墨色に閉ざされ
月は川面の花筏を映していた

瞳を落とし
今は亡き人をそっと思い出し
初めて憂国の想いを垣間見た

蝶が好きだった彼は
ラピスラズリのように青く
ペガサスの羽根を羽ばたかせるように

天空に散って往った

ぼくにはとてもできないことを
彼は成し遂げ
いまも青い
青い光を放っている





自由詩 青い顔 Copyright レタス 2016-10-30 12:37:21
notebook Home