曇り空の向こう側、星は瞬きをやめず
葉月 祐




壁一枚向こう側の

瞬きの広がる藍色の世界は

どこかでその姿を現し

誰かの心に語りかけているだろう


この壁は天高く分厚い

砕こうにもこの両手は届かない

だから私は明日を待とう


そこに訪れる変わらぬ瞬きを

白い吐息を夜に流しながら

この胸に焼き付けてしまいたい

その輝きが描く

軌跡を見つめていたい



壁一枚向こう側に

彼らがいるという事を

私はけして忘れやしないし

今夜は私よりも他の誰かに

彼らは必要とされているのだろうから



今夜は曇り空の運ぶ風に

身を任せていようじゃないか

星が無くても

十分に 夜は素敵だ




その輝きがそこにある事を

忘れやしないよ










自由詩 曇り空の向こう側、星は瞬きをやめず Copyright 葉月 祐 2016-10-28 23:23:43
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