曇り空の向こう側、星は瞬きをやめず
葉月 祐
壁一枚向こう側の
瞬きの広がる藍色の世界は
どこかでその姿を現し
誰かの心に語りかけているだろう
この壁は天高く分厚い
砕こうにもこの両手は届かない
だから私は明日を待とう
そこに訪れる変わらぬ瞬きを
白い吐息を夜に流しながら
この胸に焼き付けてしまいたい
その輝きが描く
軌跡を見つめていたい
壁一枚向こう側に
彼らがいるという事を
私はけして忘れやしないし
今夜は私よりも他の誰かに
彼らは必要とされているのだろうから
今夜は曇り空の運ぶ風に
身を任せていようじゃないか
星が無くても
十分に 夜は素敵だ
その輝きがそこにある事を
忘れやしないよ