咲き誇れ
葉月 祐
魅力的で可憐な花にはなれない
この身に光や雨粒をのせて輝き
風に美しく靡く事も
地を這うように咲くわたしには難しい
けれども どうか
わたしがここにいるという事
ただそれだけで良いから
忘れないでいて欲しいのです
どうか どうか
忘れずにいて欲しいのです
ここにひとり咲いている
わたしという一輪の存在を
あなたに覚えていて欲しいのです
たとえ何度踏まれようとも
どれだけ潰されようとも
冷たい季節にさらされても
この大地に確かに根を張り巡らせ
誰よりも長い時間
遥か遠くにある広い空を見つめながら
ここに力強く咲き
どうしようもなく必死に生きている
わたしという一輪の存在を