新たな旅路
ヒヤシンス


 憧れを胸いっぱいに抱いて飛んでゆく私の青い半身。
 山を越え、海を渡り、異国の地へと行ってしまった。
 時折届く君からの手紙に安らぎを得る。
 私にもまだ笑顔が残っていたのだ。

 黄色い便せんに書かれた、幸福、の文字に
 私はどれほど嫉妬したろう。
 私もさっさと日常を捨て去って君のもとに飛んでゆきたい。
 君の驚く顔が見たい。

 幸福を君と分かち合いたい。
 幸福の名のもとに希望の光を照らしたい。
 幸福を君と共に育みたい。

 憧れを現実にするのは私だ。
 私の半身、君よ、早く帰っておいで。
 私と君には新たな旅路が待っているのだからね。


自由詩 新たな旅路 Copyright ヒヤシンス 2016-10-26 04:18:07
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