飛べない鳥
ヒヤシンス
どこまでも続く砂漠を一人歩いてゆく。
空は厚い雲に覆われ、時間すらも分からない。
この先へ進むべきなのか今来た道を引き返すべきなのか。
どうすることも出来ずに僕は立ち止まってしまう。
これが僕の思考なのだ。
不安を感じると僕は立ち止まる。
砂しかない土地、それ自体は何も恐れることはない。
いきなり感覚が呼吸し、発汗する。砂漠こそ大きな違和感だ。
違和感を覚えるともう動けない。
耳に響く音も無ければ、視界を遮るものも無い。
これは自由か?違和感のある不自然な自由だ。
僕は自由を求める戦士であった。
しかしこれでは・・・。
この日僕は翼をもぎ取られた鳥になった。