田園
5or6

神父は田園に入って
サーチライトで信号を送った
空に停車したスープ機関車は
オニオンの煙をまくので
地元住人の非難の的だ
彼はその機関車に乗車したシリアルガールに恋をしていた
今日の夜に彼女は帰る
その事を知った神父は
後で罰を受ける覚悟で
がむしゃらに旅情自転車を漕ぎ
この田園に来たのだった
ミール蚊に血を吸われながら彼は
彼女が乗車した機関車に信号を送った
付き添いの僕はその姿が
とても羨ましかった
田園には彼女の好きな
ダイオード蛍がいるから

僕は知っていた
そこは彼女の住む町のネオンのように
ちかちかと点滅していた

とても
とても

綺麗だった


自由詩 田園 Copyright 5or6 2016-10-23 09:15:31
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