『かしづきの夜』
Leaf

いきなり受け渡そうとするから拒絶する

額から、いや目尻から零れ落ちた滴はきれい

言い訳できず敷衍した言葉の羅列が掠める

ともすれば攪拌しかねない重い漆黒

まんじりともせず抱き続けるトーチを沈め

いつしか剥き出しの頭蓋骨に唇をふれる





声を掛けられた気がした蛹

水面が揺れるのを善しとせず

後ずさりしては鈍るレガシー

草を食み血を巡るとき

あなたはかしづきの夜を思い出す


自由詩 『かしづきの夜』 Copyright Leaf 2016-10-16 20:30:49
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