小さい光
小林螢太
遠い光
風の中、ふいに
放たれる矢のように
囁きは優しく
私に突き刺さる
霧の夜、闇に捕われる
気配だけ
それは
幻の花びら
ゆっくりと、剥がれて行く
塗り固めたこの空の、扉
雷鳴を感じる心は
その彼方へ
小さい光
思うのはいつの時も
失われたあの丘の向こう
燃え上がる雲は、どこへ
その行方は
小さい光
この空の扉
雷鳴を感じる心は
響かせる心は
その彼方へ
遠い光
自由詩
小さい光
Copyright
小林螢太
2016-10-15 18:50:03