ピルグリム
やまうちあつし

さあ、次の旅を。

マリーゴールドが咲いてしまった。

悦びだけで
日を暮らすわけにいかない。

間違い探しの街を抜け
答え合わせの国を出て
イルカのように光を浴びる。

君には
忘れられる権利がある。

雲を侮ってはいけない。
鳥を疑ってはならない。

自分ひとりの神様と出会うのだ。
他の誰かと共有できる神などにいかほどの価値があるだろう。
たとえ最愛の者であるとしても。

心の中の紙屑が
ゆっくりとほどかれてゆく。







タイガーリリーが咲いてしまった。

悲しみだけで
日を暮らすわけにいかない。

では、よい旅を。
君のフルートを。


自由詩 ピルグリム Copyright やまうちあつし 2016-10-15 16:11:49
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