中ぐらいの部屋
草野春心




  誰もいない
  中ぐらいの部屋で
  音楽が静かになっていく
  というような気持ちで
  貴方を抱きたい


  小癪な 爪の光が
  凄い桃色へはじける
  先刻うしなった何かを
  もう 捜す気も起きない
  と、いうような


  淋しさで
  貴方を隠したい
  中ぐらいの部屋の
  つくえのかげにある
  もっと、淋しい隙間に



自由詩 中ぐらいの部屋 Copyright 草野春心 2016-10-09 23:31:53
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春心恋歌