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坂本瞳子
堕ちてゆく
崖の上から
海の底へと
一直線に
目を開けていられるくらい
速過ぎることなく
頬を逆撫でる風が心地良く
恐怖心もなく
ただ真っ直ぐに堕ちてゆく
理由は分からないけれど
否
理由などないのかもしれない
運命なのだろうか
なんなのだろうか
ただ堕ちてゆく
それだけのこと
理不尽ささえ伴わず
不公平に感じることなく
永遠と思われるほど長い時間をかけて
生まれてから今までの
否
それ以前も
思い出しながら
それ以降も
想い描きながら
堕ち続けてゆく
ただ
堕ちてゆく
自由詩
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坂本瞳子
2016-10-08 21:26:20