父の畑
梓ゆい

早く起きた午前中
亡き父の畑で収穫したスイカを洗っている。

父と話をするように。
父と顔を合わせるように。

綺麗に晴れた夏の午後
大きなスイカを四つに切って
大きな口でかぶりつく。

父は居なくとも
大切に育てたスイカの種が
今年もまた実をつけて
私の腕に抱かれているから。







自由詩 父の畑 Copyright 梓ゆい 2016-10-05 00:20:11
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