ヒマワリパーティー
5or6

廃墟となった街
交差点の真ん中に高さ10メートルのヒマワリがしなだれている
乗り捨てられた車のフロントガラスは割れている
飛散された破片は太陽を反射しながら
時折、吹き付けるビル風に舞って行く
同じように
干からびた
真っ黒に覆われたヒマワリの種が風で飛ばされて
ひび割れたアスファルトに吸い込まれていく
ヒマワリパーティーだね
絵本を読みながら指差していた娘が笑う
カラカラカラ
空き缶が転がる
ガイガーカウンターが警告する
あ〜ん
娘がヒマワリの種を口によせる
美味しいね
はい、あ〜ん
自分の口に小さな指をよせる
美味しい?
美味しいよ
ニコニコしながら
ひび割れたアスファルトに吸い込まれていく
ヒマワリパーティーに
行かなきゃね
ヒマワリの種
美味しいね
手にした黒い種を握りしめて
その場を離れる
握りしめた隙間からサラサラと
粉になった種が
落ちていく
ヒマワリパーティーに
行かなきゃね
ヒマワリの種
美味しいよ


自由詩 ヒマワリパーティー Copyright 5or6 2016-10-04 11:40:13
notebook Home