「ミネルヴァとヤヌス」
ハァモニィベル

見つめていた風が
 いつのまにか
ぼく の頬に触れた

やがて 
このまま 真っ直ぐ 下にある谷に
ぼく は抱かれるだろう

巨きな魚が蝶を呑むように
 腹の中に
ぼく は消えていく

 ※

誤謬のない厳密な計算の連鎖が保証された筈のゲーム
その盤外へ 一個

その骰子だけ 

なぜか転がり 落ちてゆく
 真っ暗な 穴 のなかに

 ※

午前九時半。階段を昇って行く
どこへ続いているのだろう?

 ぼく はお茶を一杯飲みたいと思った。…が、

此処からは
 薔薇の花びらだけ しか 
食べてはいけない 
と 言われた。

 ※

「罪も二度目からは
     習慣になる」と謂う




 
 


自由詩  「ミネルヴァとヤヌス」 Copyright ハァモニィベル 2016-10-03 13:46:28
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