前へと
坂本瞳子

空っぽになったような
この身体だけれども
宙に浮かぶことはなくて
かといって
足が地についている感覚はなくて
それでもフラフラと歩き続けていて
なんの目的もないのに
前に進まなければならないという
そんな気がしていて
睡魔に襲われながらも
空腹を抱えながらも
涙を流しつつも
それでもなお
なんとか
前へ進んでいる


自由詩 前へと Copyright 坂本瞳子 2016-10-01 00:33:00
notebook Home