願望と決意の光景
ひだかたけし

ほっと懐かしく嘆息してしまう、
それまでの全てが報われる、
そんな濃密な青の色彩だけが独立して
開けた額縁のような窓の向こうに 在った

その青の色彩はよく見れば、
濃密なのは視界の中央部分で
中央から端へ放射状に薄くなり
端は全くの水色だった
そして濃密な中央部分の青だけが
何か異様な静けさを保っている

シャン シャン シャン シャン

視界の両端下には、
銀に光る大きな鈴のようなものが
シンメトリカルに幾つも並び 響く

私はその響きを聴いているうち、
[生きてきてよかった]
という安堵の思いが
[もっと生きたい生きる]
という深い願望と憧憬の念に変わるのを感じる

中央の濃密な青が私の念に呼応するように
ゆっくりと旋回し渦巻き出す
渦巻きながら紫から暗紫色へと変化していく

その暗紫色の色彩の中を
私はいつしか自由に泳いでいる
体も魂の傷も癒え
 ーまるでそんなものは最初から無かったかのように

思うがままに望むがままに!


自由詩 願望と決意の光景 Copyright ひだかたけし 2016-09-29 16:15:37
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