願望と決意の光景
ひだかたけし
ほっと懐かしく嘆息してしまう、
それまでの全てが報われる、
そんな濃密な青の色彩だけが独立して
開けた額縁のような窓の向こうに 在った
その青の色彩はよく見れば、
濃密なのは視界の中央部分で
中央から端へ放射状に薄くなり
端は全くの水色だった
そして濃密な中央部分の青だけが
何か異様な静けさを保っている
シャン シャン シャン シャン
視界の両端下には、
銀に光る大きな鈴のようなものが
シンメトリカルに幾つも並び 響く
私はその響きを聴いているうち、
[生きてきてよかった]
という安堵の思いが
[もっと生きたい生きる]
という深い願望と憧憬の念に変わるのを感じる
中央の濃密な青が私の念に呼応するように
ゆっくりと旋回し渦巻き出す
渦巻きながら紫から暗紫色へと変化していく
その暗紫色の色彩の中を
私はいつしか自由に泳いでいる
体も魂の傷も癒え
ーまるでそんなものは最初から無かったかのように
思うがままに望むがままに!