生誕祭
白島真

 

 一篇の詩をつづりながら
 多くの迷い道を選びきれないでいる
 夜 飼い猫の眼が光る
 かれも ぼくをみつめている

 散乱した独りずまいの部屋に
 椅子がない
 神棚のみずが
 しずかに腐りはじめている

 ちりぢりと宇宙を抱いて
 外の気配に耳をすます
 除雪車がとおり過ぎていく

 夢遊病者の夢はどんなだろう
 七草粥の誕生日
 没落の予感にふるえて  



                      


自由詩 生誕祭 Copyright 白島真 2016-09-26 09:26:40
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