鎖のない犬の酒
TAT

誰もがみんな、まっ逆さまに死んでゆく
僕は絶望に呑まれて立ち上がる事もできない
死んだら十字架は要らないから棒かなんか差しといてくれ。地面に。
血腥いジャズで朝までウヰスキーを飲む。安い女が話しかけてきて、ぶっ殺してやりたい衝動に駆られる。
誰も彼もが、まっ逆さまに死んでゆくんだ。
どん底の夜に。
犬が月に吠えるマークの商標の酒をくれ。
青い瓶のやつだ。
犬が吼えてるやつだ。
イオンモールの神様は現金客を歯牙にもかけない。
俺は手癖で詩を書いてそれをフォーラムに投下する。
もっと他にこう何かありそうなもんだ。
けれども矛盾してるのは
心身ともに好調な時はやはり推敲を重ねてシュパッと良いのが書けてレスも付く
んだけど
本当の本当にレスが欲しい時は死にたい救われたい夜癒やされたい夜は
レスが付く詩なんか書ける状態じゃあ
ない
んだ

まぁ今日は大丈夫だけどな
今日は歴史に残る天才的な詩が書けてるから問題ない



犬の酒はまだか


誰も彼もがまっ逆さまに堕ちてゆく



俺は樫の匂いのするバー魔の巣で

呆れられながら今日もくたばっていて

古いレコード達の隙間から

ニューバーバリアンズを引っ張り出して来て


これをかけてくれとせがむ



ガキのように

昨日のように




ところが今では基本的に他人の幸せをも願うように心がけて生きる事にしていて





俺も随分成長したもんだ

さすが俺だ









風や雲のようにゆくぜ


陽や追憶の唄のように流れ星のように





もう俺は不幸でもいいからとかカッコつけたりせずに





自由詩 鎖のない犬の酒 Copyright TAT 2016-09-23 18:32:05
notebook Home 戻る