確率統計
藤鈴呼


何となく好きだった三角形のイヤリングを二つ下げた夜
何だか得をした気分になったことを今でも覚えている

所謂 思春期 と 呼ばれる頃の お話
感受性が豊かだった分
今以上に 傷ついたフリなんて しただろう

なりふり構わずに
正に そんな台詞が 本気で似合う頃
三つ編みの太さも 永さも 完璧だった

この世には 怖いことなんて無いと 心では知っていて
怖がる素振りばかりを 上目使いで 魅せつけたふう

純粋無垢だなんて 荒唐無稽な お話
厚顔無恥だったって 浅く笑う位の お話

恥ずかしい と おしょすい の 攻防戦
描き上げる筆と 掻き上げる髪の隙間に
文字を 描いた

ねえ あの頃 防具で覆われていた ワタクシの表情は
一体 どんなだったの

今となっては 質問する 相手さえも
いないけれど

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自由詩 確率統計 Copyright 藤鈴呼 2016-09-19 13:39:52
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