Ghost House /不安

Ghost House /不安

なかなか寝付けず

何度もトイレに立つ

きっと今夜は自縛霊みたいにしつこく付きまとうアイツに取り憑かれている

神主が大袈裟におおぬさを振るってもきっとこの思いは成仏することはなくて

今はただ「明日が来るのが怖い」

灰皿の上に吸い殻が積もっていく間

奴はそこにいて
僕を恨めしそうに睨んでいる

このままじゃ埒が明かないから

聞いてやる

「お前は何故僕を怖がらせるのか?」

その一言が皮切りになって
会話は始まる
 
絶望的なイメージの中に
この身を置いて

男の独り言が響くGhost house を抜け出す突破口を探している

抜け出したいなら

心に火をつけて松明を作り

先が見えない未来を進むしかない

空が青白くなって
鳥がなく頃には

例の自縛霊は消えていて

微かな光が見えている

そして気づくのだ

奴は質の悪い自縛霊なんかじゃなくて

僕を守る守護霊だったということに

鏡を見て
目の下にできたクマに向かって呟く

「ありがとう」
















自由詩 Ghost House /不安 Copyright  2016-09-17 12:31:27
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