貴女滑稽で妖しい
朝焼彩茜色



 貴女滑稽で妖しい

 またこんな季節が巡ってきた
 名月を仰ぐ野分の風も乏しく
 焦がれる余裕もなく 
 日常に背中を押され
 されど視覚からのニュースで

 滑稽で妖しい貴女 また会えたね こんにちは

  ひらひらの血管
  紅の細い神経の曲線 触覚を持つ華
  個性と世の三千世界 どこの果てから帰宅したのか
  滑稽で妖しい貴女

  赤い絨毯だなんて滑稽だわ
  知らない方がいいことを知りたがらない方が
   幸せ なの
  私を近くで見るんじゃないよ
  私はひらひらの血管に紅の細い神経の指 触覚を噴かした華
  これでも昔は足もあったのよ 

  知らない方がいいこともある 遠くから眺めるように
  赤い絨毯でいいじゃない その方が上手くいくこともある


 滑稽で妖しい貴女 また会えたね
 私には絨毯になんてやはり見えない

 貴女は 滑稽で妖しい


自由詩 貴女滑稽で妖しい Copyright 朝焼彩茜色 2016-09-16 14:37:17
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